[N2] レッスン 4

母校(ぼこう)⁽¹⁾の小学校(しょうがっこう)が老朽化(ろうきゅうか)で壊(こわ)されることになった。母校(ぼこう)の思(おも)い出(で)の場所(ばしょ)を見(み)に行(い)かないではいられなくなり⁽²⁾、解体(かいたい)工事(こうじ)現場(げんば)の人(ひと)に最後(さいご)の見学(けんがく)ができるかどうか聞(き)いてみた。１週間(しゅうかん)以内(いない)であれば、学校(がっこう)内部(ないぶ)を見学(けんがく)できると聞(き)き、それならすぐに行(い)こうと思(おも)い恩師(おんし)と同級生(どうきゅうせい)を誘(さそ)い母校(ぼこう)へ行(い)ってきた。
小(ちい)さくて古(ふる)い校舎(こうしゃ)⁽³⁾の中(なか)を、思(おも)い出話(でばなし)をしながら歩(ある)き回(まわ)った。職員室(しょくいんしつ)の隣(となり)の部屋(へや)のところを見(み)ると、畳(たたみ)の部屋(へや)があり匂(にお)いからして懐(なつ)かしくてしょうがなかった⁽⁴⁾。そこは思(おも)い出(で)のある部屋(へや)で、放課後(ほうかご)の学童(がくどう)に使(つか)っていた。畳(たたみ)も棚(たな)も、私(わたし)が低(てい)学年時(がくねんじ)にお世話(せわ)になっていた頃(ころ)のままで、その上(うえ)、古(ふる)い赤色(あかいろ)の時計(とけい)も一緒(いっしょ)だった。昔(むかし)に戻(もど)ったような気(き)がした。
「放課後(ほうかご)の家(いえ)」だから畳(たたみ)の部屋(へや)かと思(おも)ったら、先生(せんせい)が休日(きゅうじつ)出勤(しゅっきん)した時(とき)や、夏休(なつやす)み中(ちゅう)生徒(せいと)がいないときに、横(よこ)になって⁽⁵⁾休憩(きゅうけい)できる場所(ばしょ)のために畳(たたみ)にしていたらしい。生徒(せいと)たちが居(い)ないときは、家(いえ)にいる風(ふう)に休憩(きゅうけい)しに寝転(ねころ)がりにいったと、同行(どうこう)の恩師(おんし)から聞(き)いて、驚(おどろ)いた。小学生(しょうがくせい)の頃(ころ)の純粋(じゅんすい)な生徒(せいと)は誰(だれ)も、先生(せんせい)が寝(ね)る部屋(へや)だと思(おも)わないのは当然(とうぜん)だ。
みんな放課後(ほうかご)の学童(がくどう)が好(す)きだった気(き)がする。友達(ともだち)や先生(せんせい)とたくさん遊(あそ)べるし、宿題(しゅくだい)も教(おし)えてもらえるし。おやつ⁽⁶⁾が1番(ばん)楽(たの)しみだった。でも、私(わたし)が休(やす)んだ日(ひ)に限(かぎ)って大好(だいす)きなケーキがおやつの日(ひ)が多(おお)かったのを覚(おぼ)えている。家(いえ)でのおやつは、弟(おとうと)に分(わ)けたり⁽⁷⁾譲(ゆず)ったりしなくてはいけないが、学童(がくどう)のおやつは私(わたし)のもの、残(のこ)すことなく食(た)べていたと思(おも)う、懐(なつ)かしい思(おも)い出(で)だ。
思(おも)い出(で)がいっぱいの母校(ぼこう)がなくなるのは寂(さび)しいが、なくなる前(まえ)にみんなで母校(ぼこう)にこれただけましだ。
帰(かえ)りがけに、学童(がくどう)の部屋(へや)と母校(ぼこう)の前(まえ)で集合(しゅうごう)写真(しゃしん)を撮(と)ることができた、また1つ大切(たいせつ)な思(おも)い出(で)ができてよかった。

エンゼルスの大谷(おおたに)翔(しょう)平(へい)投手(とうしゅ)は、2021年(ねん)のオールスターゲームで史上初(しじょうはつ)の二刀流(にとうりゅう)⁽¹⁾出場(しゅつじょう)を果(は)たした。30年(ねん)以上(いじょう)もメジャーリーグを見(み)てきた名物(めいぶつ)⁽²⁾記者(きしゃ)は、「史上(しじょう)最(もっと)もユニークな野球(やきゅう)選手(せんしゅ)が現(あらわ)れた。」と大谷(おおたに)選手(せんしゅ)を表現(ひょうげん)した。
彼(かれ)は誰(だれ)も想像(そうぞう)しようがない結果(けっか)を残(のこ)す。これが素晴(すば)らしい実力(じつりょく)だというものだ。　一回(いっかい)は鋭(するど)い当(あ)たりでセンター前(まえ)ヒット、阻止(そし)しようがない俊足(しゅんそく)で二(に)盗(とう)を決(き)める⁽³⁾。その後(ご)単打(たんだ)で先制(せんせい)のホームを踏(ふ)んだ。この調子(ちょうし)でホームランも打(う)ってほしい。二(に)回(かい)以降(いこう)は四球(しきゅう)が三(さん)度(ど)もあった、これでは打(う)たしてくれないのだからホームランどころではないというものだ。特(とく)に六回(ろっかい)の２対(たい)2の同点(どうてん)の2死(し)2塁(るい)ではリーグトップの9個目(こめ)の敬遠(けいえん)四球(しきゅう)。敬遠(けいえん)の少(すく)ないヒンチ監督(かんとく)の判断(はんだん)だが、仕方(しかた)ないと言(い)える。ホームランはオールスターゲーム前(まえ)ほど出(で)ぬが、今日(きょう)のゲームでは四(よん)度(ど)の出塁(しゅつるい)をした。勝利(しょうり)に貢献(こうけん)しただけましだと思(おも)う。最近(さいきん)ホームランが出(で)ないところを見(み)ると、ゆっくり休(やす)めず⁽⁴⁾疲(つか)れているのだろう。こんなにも活躍(かつやく)しているのだから疲(つか)れて当然(とうぜん)だ。これからも、大谷(おおたに)選手(せんしゅ)を応援(おうえん)していこうではないか。