使い方・接続
Verb + こととて
Verb[ない]+ ぬ(1) + こととて
Noun + の + こととて
(1) ない
詳細
使用域
硬い
「こととて」の情報
「こととて」は、名詞「こと」と係助詞の「とて」の組み合わせです。この表現は理由を挙げるために使われ、「(A) なので」や「(A) だから」という意味を表します。かなり古風な表現なので、現代の日本語ではほぼ例外なく書き言葉に使われます。
「こととて」は、動詞の後ろ、または名詞と格助詞「の」の後ろに置かれます。
「こととて」は、主に許しを求める場合に使われます。「こととて」が動詞を伴う場合、その動詞は過去形、または「ない」か「ぬ」を使った否定形となります。これにより、何かが行うべきではなかったのに行われたこと、または行うべきだったのに行われなかったというニュアンスが強調されます。
多くの場合、(A) には、(B) という悪い結果を招くことが明らかな事柄や、明らかとは言わないまでも、そうなることが予想できる事柄が入ります。
豆知識
「とて」は、格助詞「と」と接続助詞「て」の組み合わせ、または古語の助動詞「たり」の連用形「と」と接続助詞「て」の組み合わせのどちらかだと考えられています。由来がはっきりとわかっていないので、独自の意味を持つ文型だと考えるのが良さそうです。
例文
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時代劇。A:「あなたのお父さんによろしくお伝えください。」
B:「お父さんは遥か昔に亡くなりました。」
A:「そうでしたか。知らぬこととて、失礼をお許しください。」
A period drama, A: 'Please, send my greetings to your father.'
B: 'My father passed away long ago.'
A: 'Is that so? Please, forgive my rudeness due to my lack of knowledge.'
古い手紙:「取り込み中のこととてご迷惑をおかけしましたがなにとぞご寛容のほどお願い申し上げます。」
Old letter: 'I have caused you a lot of trouble due to being busy, but I would kindly ask for your understanding.'
「仕事になれぬこととて間違いをしてしまいました。申し訳ございません。」
'I made a mistake due to not being accustomed to the work. For that I am awfully sorry.'
「田舎のこととて年齢や学年に関係なく生徒が勉強する教室が1教室だけしかなかった。」
Since it was the countryside, there was only one classroom where school children studied, regardless of their age or grade.
「子供がやったこととて、親としてお詫び申し上げます。」
'Since my child did it, I would like to apologize as their parent.'
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