～たところでEven if ~ cannot or will not, Even though ~ not

「～たところで」は、動詞(どうし)の過去形(かこけい)と名詞(めいし)の「ところ」、そして助詞(じょし)の「で」で構成(こうせい)される文型(ぶんけい)です。

この文型(ぶんけい)は「たとえ (A) をしても (B) にはならない」という意味(いみ)で使(つか)われます。「ところ」を含(ふく)むほかの多(おお)くの文型(ぶんけい)と同(おな)じように、この文型(ぶんけい)も動作(どうさ)が起(お)こる場面(ばめん)や状況(じょうきょう)に焦点(しょうてん)を当(あ)てています。

「～たところで」が「たとえ〜ても」という仮定(かてい)の意味合(いみあ)いを持(も)つのは、文(ぶん)の前半(ぜんはん)が過去形(かこけい)になる一方(いっぽう)で、後半(こうはん)には過去(かこ)の出来事(できごと)が来(こ)ないところから生(う)まれています。

• 今更(いまさら)勉強(べんきょう)を始(はじ)めたところで、合格(ごうかく)はできないだろう。

  Even if I were to start studying now, I would not be able to pass.
• もう電車(でんしゃ)は発車(はっしゃ)してしまったから、急(いそ)いだところで間(ま)に合(あ)わないよ。

  The train has already left, so even if you hurry, you won't make it.
• 少(すこ)し走(はし)ったところで、すぐには痩(や)せないよ。

  Just merely by running, you won't lose weight that quickly.

上記(じょうき)の例文(れいぶん)からもわかるように、「～たところで」は通常(つうじょう)、話(はな)し手(て)が望(のぞ)んでいることや願(ねが)っていることとは逆(ぎゃく)の結果(けっか)になることを述(の)べるときに使(つか)われます。そのため、文(ぶん)の後半(こうはん) (B) は話(はな)し手(て)にとって好(この)ましくない内容(ないよう)になることがほとんどです。

豆知識(まめちしき)

「～たところで」の文(ぶん)では、(B) に悪(わる)い結果(けっか)が来(く)るため、(A) の始(はじ)めに「今(いま)さら」「いくら」「どんなに」といった言葉(ことば)がよく出(で)てきます。これらの言葉(ことば)は、期待(きたい)に反(はん)する残念(ざんねん)な結果(けっか) (B) に対(たい)して、話(はな)し手(て)が感(かん)じる苛立(いらだ)ちや諦(あきら)めの気持(きも)ちをさらに強調(きょうちょう)する役割(やくわり)を果(は)たしています。