[N2] Lesson 4

  • 学童(がくどう)

    母校(1)の小学校が老朽化で壊されることになった。母校の思い出の場所を見に行かないではいられなくなり(2)、解体工事現場の人が作業をしているところに、最後の見学ができるかどうか緊張しつつも聞いてみた。遠慮していてはずっと聞けないと思い、その時は勇気を出した。遠慮しているどころではなかったし。1週間以内であれば学校内部を見学できると聞き、それならすぐに行こうと思った。母校の訪問に際して、恩師と同級生を誘い母校へ二十年ぶりに行くことにした。恩師や同級生もまた、解体に驚いていた。小さくて古い校舎(3)の中を、(おも)出話(でばなし)をしながら歩き回った。職員室の隣の部屋の畳の部屋がとても懐かしかった。恩師もまた、そう思ったようだ。その部屋を見るか見ないかのうちに、色々思い出した。そこは沢山の思い出がある部屋で、放課後の学童に使われていた。畳も棚も、私が低学年時にお世話(せわ)になっていた頃のままで、その上、古い赤色の時計も一緒だった。昔に戻ったような気がした。「放課後の家」だから畳なのかと思ったら、先生が休日出勤した時や夏休み中の生徒がいないときに横になって(4)休憩するために、畳にしていたらしい。「生徒たちが居ないときは、休憩しに寝転がりに行っていた。」とその部屋にいた際に同行の恩師から聞いて、驚いた。小学生の頃の純粋な生徒のうちで誰も、先生が寝る部屋だと思っていなかった。みんな放課後の学童が好きだった気がする。友達(ともだち)や先生とたくさん遊べるし、宿題も教えてもらえるし。おやつ(5)が一番楽しみだった。でも、私が休んだ日に限って、大好きなケーキがおやつの日が多かったのを覚えている。家でのおやつは、弟に分けたり(6)譲ったりしなくてはいけないが、学童のおやつは私のもので、残す必要がなかった、懐かしい思い出だ。思い出がいっぱいの母校がなくなるのは寂しいと思いつつも、なくなる(まえ)にみんなで母校に来られて嬉しかった。帰りがけに、この思いがけない再会を契機に学童の部屋と母校の(まえ)で集合写真を撮ることができた。また1つ大切な思い出ができてよかった。何事も、勇気を出さないでいてはいい機会を逃してしまうものである。

  • 『エンゼルス(たい)タイガースの大谷(おおや)選手(せんしゅ)

    エンゼルスの大谷翔平投手は、2021年のオールスターゲームで史上初の二刀流(1)出場を果たした。以前(いぜん)までも注目を集めつつあったが、それを契機に、彼は世界中で有名となった。30年以上もメジャーリーグを見てきた名物(2)記者は、記者会見に際して「史上最もユニークな野球選手が現れた。」と大谷選手を表現した。彼は誰も想像しようがない結果を残す。一回は鋭い当たりでセンター(まえ)ヒット、阻止しようがない俊足で二盗を()めた(3)。その後単打で先制のホームを踏んだ。この調子(ちょうし)でホームランも打ってほしい。二回以降は四球が三度もあった、これでは打たしてくれないのだからホームランどころではないというものだ。特に六回の2対2の同点の2死2塁ではリーグトップの9個目の敬遠四球。敬遠の少ないヒンチ監督の判断だが、仕方ないと言える。ホームランはオールスターゲーム(まえ)ほど出ないが、今日のゲームでは四度の出塁をした。勝利に貢献したから凄い思う。最近3試合のうちでホームランが出ないが、ゆっくり(4)休めず疲れているのだろう。疲れていては、本領を発揮できない。でも、何日か経つか経たないかのうちに、またホームランを打つだろう。さっきの試合の結果次第では応援をやめてしまうところだった。しかし、こんなにも活躍しているのだから、これからも期待しつつ、大谷選手を応援していこう。調子(ちょうし)が良くなっては悪くなり、良くなっては悪くなるのも普通のことである。

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