[N1] Lesson 2

  • 『恋愛(れんあい)トーク』

    夏那(なつな):「恵(めぐみ)、昨日(きのう)合(ごう)コンだったよね?その嬉(うれ)しそうな顔(かお)からすると、楽(たの)しかったんでしょう?」

    恵(めぐみ):「それがさー、一人(ひとり)イケメンがいたのよ、この人(ひと)が結構(けっこう)いい人(ひと)だったんだ。気(き)が付(つ)けば、彼(かれ)の話(はなし)を全部(ぜんぶ)聞(き)くともなく聞(き)いていたの。」

    夏那(なつな):「いいじゃない、気(き)に入(い)った人(ひと)がいて。それで?」

    恵(めぐみ):「帰(かえ)り際(ぎわ)にメアド(メールアドレス)を交換(こうかん)したんだけど、それからというもの、いくら待(ま)っても全然(ぜんぜん)音沙汰(おとさた)なし…。」

    夏那(なつな):「それは…脈(みゃく)がないんじゃない?」

    恵(めぐみ):「そうかな~。今(いま)は連絡(れんらく)がないとはいえ、合(ごう)コンではけっこういい感(かん)じだと思(おも)ったんだけど。」

    夏那(なつな):「もうあきらめた方(ほう)がいいよ、好(す)きになったわけじゃあるまいし。」

    恵(めぐみ):「そうだね…でもさ、バリバリの商社(しょうしゃ)マンとして働(はたら)くかたわら、家(いえ)では猫(ねこ)にデレデレなんだって。仕事(しごと)まみれの人(ひと)ではあるけど、今度(こんど)こそ玉(たま)の輿(こし)って思(おも)ったんだよね…。」

    夏那(なつな):「ま、また合(ごう)コンすればいいし、いつかきっと恵(めぐみ)が気(き)に入(い)る人(ひと)と出会(であ)えるよ、『この人(ひと)だ!』って人(ひと)が現(あらわ)れるよ。」

    恵(めぐみ):「『下手(へた)な鉄砲(てっぽう)数(かず)撃(う)ちゃ当(あ)たる』って言(い)うけどさ…。当(あ)たろうが当(あ)たるまいが別(べつ)にいいんだけどさ。でも、少(すこ)し期待(きたい)してしまうのよね。」

    夏那(なつな):「そろそろ、まぐれでもいいから、当(あ)たってほしいよね。」

    恵(めぐみ):「ほんと!30(さんじゅっ)歳(さい)を目(め)の前(まえ)にしてさ…そろそろ年齢(ねんれい)的(てき)にも焦(あせ)るのよ。ところで、夏那(なつな)の方(ほう)はどう?噂(うわさ)の彼(かれ)とは上手(うま)くいってるの?」

    夏那(なつな):「えっ、どうって、まーぼちぼちかな。」

    恵(めぐみ):「ぼちぼちって?」

    夏那(なつな):「まあまあ上手(うま)くいってるかな。実(じつ)はこの前(まえ)、彼(かれ)にプロポーズされたんだ。」

    恵(めぐみ):「えー、すごい。やったじゃない!最近(さいきん)は付(つ)き合(あ)う人(ひと)も減(へ)っているし、結婚(けっこん)に至(いた)っては、願望(がんぼう)がない人(ひと)の方(ほう)が多(おお)いくらいよ。で、何(なん)て言(い)われたの?」

    夏那(なつな):「それがね、面白(おもしろ)いの。シャイな彼(かれ)ならではのプロポーズだったの。」

    恵(めぐみ):「え、なによー?」

    夏那(なつな):「この間(あいだ)、神社(じんじゃ)の前(まえ)を通(とお)りかかったら、ちょうど結婚式(けっこんしき)をやっていて、白無垢(しろむく)姿(すがた)のお嫁(よめ)さんが見(み)えたのね、そしたら、足(あし)を止(と)めるなり急(きゅう)に彼(かれ)が『あれ着(き)てみない?』って言(い)い出(だ)して…。私(わたし)、びっくりして。」

    恵(めぐみ):「それってプロポーズなの?彼(かれ)って本当(ほんとう)にシャイなんだね。」

    夏那(なつな):「うん、そうなの。高校生(こうこうせい)じゃあるまいし、もっと気(き)の利(き)いたこと言(い)って欲(ほ)しかったけどね。」

    恵(めぐみ):「どんなプロポーズであれ、いいじゃない。贅沢(ぜいたく)言(い)わないの!で、夏那(なつな)なんて答(こた)えたの?」

    夏那(なつな):「『私(わたし)はウエディングドレスの方(ほう)がいいんだけどな…。』って答(こた)えたんだけどね。」

    恵(めぐみ):「で、彼(かれ)は何(なん)て?」

    夏那(なつな):「『君(きみ)がウエディングドレスがいいなら、僕(ぼく)もタキシードにするよ。』だって。」

    恵(めぐみ):「ふーん、そうなんだ、じゃ、プロポーズ成立(せいりつ)ってわけか。おめでとう!」

    夏那(なつな):「ありがとう。将来(しょうらい)を考(かんが)えるなら、彼(かれ)をおいて他(ほか)にいないからね。恵(めぐみ)もいい人(ひと)が見(み)つかりますように!」

    恵(めぐみ):「そうね…。携帯(けいたい)は脈(みゃく)なしな男(おとこ)の人(ひと)のメアド塗(まみ)れよ…。辛(つら)くなってきたわ…。」

    合(ごう)コン=合同(ごうどう)コンパ(出会(であ)いを求(もと)める男女(だんじょ)数人(すうにん)が集(あつ)まって行(おこな)われる飲(の)み会(かい))

  • 『零票(れいひょう)確認(かくにん)』

    平成(へいせい)28(にじゅうはち)年(ねん)(2016(にせんじゅうろく)年(ねん))の参院(さんいん)選挙(せんきょ)の投票日(とうひょうび)、いつもより早(はや)く目(め)が覚(さ)めた。投票所(とうひょうじょ)である公民館(こうみんかん)には朝(あさ)6(ろく)時(じ)50(ごじゅっ)分(ぷん)に到着(とうちゃく)し、何(なん)ともなしに最初(さいしょ)の投票人(とうひょうにん)となった。

    7(しち)時(じ)になり、受付(うけつけ)の方(かた)から「投票箱(とうひょうばこ)の中(なか)に何(なに)も入(はい)っていないことを確認(かくにん)してください」と言(い)われ、確認(かくにん)をした。そして「ただいまの確認(かくにん)をもちまして、投票(とうひょう)を開始(かいし)します」と係(かかり)の人(ひと)が言(い)い、投票(とうひょう)を済(す)ませた。

    帰宅(きたく)して調(しら)べると、それが公職(こうしょく)選挙法(せんきょほう)施行(しこう)令条(れいじょう)に定(さだ)められた零票(れいひょう)確認(かくにん)だとわかり、一番(いちばん)の人(ひと)にしか味(あじ)わえない優越感(ゆうえつかん)を覚(おぼ)え、それからというもの、4(よん)回(かい)連続(れんぞく)で零票(れいひょう)確認(かくにん)をした。

    さて、今回(こんかい)は衆議院(しゅうぎいん)と市議会(しぎかい)議員(ぎいん)の選挙(せんきょ)であり、零票(れいひょう)確認(かくにん)をする箱(はこ)は4(よっ)つとなっている。これは逃(のが)すまいと、6(ろく)時(じ)45(よんじゅうご)分(ふん)に公民館(こうみんかん)に到着(とうちゃく)するように家(いえ)を出(で)た。しかし、公民館(こうみんかん)に着(つ)くと、すでにご婦人(ふじん)が一人(ひとり)待(ま)っておられた。

    負(ま)けた。過去(かこ)4(よん)回(かい)、この時間(じかん)には誰(だれ)も来(き)ていなかった。零票(れいひょう)確認(かくにん)をする人(ひと)は私(わたし)をおいてほかにないと思(おも)い込(こ)み、すっかり油断(ゆだん)していた。もっと早(はや)くに来(き)ていればよかったものを…。悔(くや)しさがこみ上(あ)げる中(なか)、投票(とうひょう)を済(す)ませた。

    私(わたし)の妻(つま)は「一番(いちばん)の人(ひと)にしかできないことであるとはいえ、それはそんなに大事(だいじ)なことなのか」と言(い)う。友達(ともだち)も、「なんであれ、あの時(とき)はさ〜」と話(はなし)を逸(そ)らすだけで、感心(かんしん)がないようだ。側(はた)から見(み)ると、私(わたし)は投票所(とうひょうじょ)で朝(あさ)早(はや)くから待(ま)っている変(へん)なおじさんなのか…。今回をもって、これをやめるべきなのか 。いや…。

    私(わたし)に勝(か)ったあのご婦人(ふじん)はかなりの強敵(きょうてき)である。ご婦人(ふじん)を皮切(かわき)りに、次々(つぎつぎ)とライバルが現(あらわ)れるだろう。でも次(つぎ)は必(かなら)ず勝(か)つつもりだ。来年(らいねん)の参院(しゅういん)選挙(せんきょ)が楽(たの)しみだ。

    ◎零票(れいひょう)確認(かくにん)→投票(とうひょう)開始(かいし)前(まえ)の投票箱(とうひょうばこ)に何(なに)も入(はい)っていないことを確認(かくにん)すること

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